「社労士って、おじさんが定年後に取る資格じゃないの?」
そんな風に思っていた私が、20代でこの資格に出会い、気づけばキャリアの軸にしていました。
今ではVoicyやnoteを通じて、「労務知識って、もっとポップでいいじゃん!」というメッセージを発信しています。
この記事では、「社労士資格って実際どうなの?」という素朴な疑問に、リアルな体験とともに向き合います。
テーマは「キャリアと制度が交差する瞬間」。
「20代で取って意味ある?」「仕事にどう役立つの?」というあなたのギモンに、ポップかつ等身大でお答えします。
社労士資格の基本と誤解
社労士ってなにをする人?
まず、社労士の正式名称は「社会保険労務士」。
労働や社会保険に関するエキスパートとして、企業の就業ルールや社会保険の手続きなどをサポートする国家資格です。
企業の人事部や社労士事務所、最近では労務SaaS企業にも活躍の場が広がっています。
たとえば、こんな仕事があります。
- 就業規則の作成や変更サポート
- 労災や育休などの手続き代行
- 社内での労務トラブル対応の相談役
- 法改正時の社内制度アップデート
つまり、働く人すべての“安心”を制度面から支えるのが社労士の役割です。
なお、地域に根ざしたサービスをお探しの方は、杉並区で社労士として給与計算や労務管理に特化した舞島亜喜子社労士事務所のような専門家の支援を受けるのも一つの選択肢です。
よくある誤解:「お堅い」「年配向け」のイメージ
「社労士って、お堅い」「年配の人が取る資格」──そんなイメージ、ありませんか?
たしかに、合格者の年齢層を見ると30〜40代が中心で、20代は全体のわずか11.8%ほど。
そのせいか、SNSでも「若いのに珍しいね」と言われることが多々ありました。
でも、実際に関わってみると、思っていたより“人間くさい”仕事なんです。
だって制度って、誰かの「困った」が起点なんですよ。
- 育休を取ったら復職できないかも…
- 時間外労働が多すぎて倒れそう…
- パワハラの相談先がわからない…
そんな声に対して、「制度」で答えるための設計図を書く。
この発想、むしろZ世代こそフィットするんじゃない?と、私は思っています。
実際の活用シーンを具体例で紹介
イメージが湧かない…という人のために、社労士資格が活きる場面をいくつか紹介します。
1. スタートアップの労務整備で大活躍
社員10人→50人に急拡大した企業で「就業規則、紙のままだった…」と大慌て。
その場に社労士が入って、制度整備とクラウドSaaS導入を同時に進めた事例も。
2. 労基署対応のストーリー
労働時間の記録があいまいで是正勧告を受けた企業。
その際、社労士が入り、勤怠管理体制を再構築。結果、2ヶ月で解決し、行政評価も改善。
3. ラジオやnoteでの“制度の翻訳家”
最近では、難解な制度をわかりやすく発信する「制度系インフルエンサー」も増えています。
自分のnoteやVoicyが仕事のきっかけになることも。
20代で社労士を取るメリット・デメリット
若手で持ってる人はほぼいない!?レアな強みになる理由
「えっ、社労士!? 若いのにすごいですね!」
20代で資格を取った私が名刺交換で最も言われるセリフです。
厚労省のデータによると、社労士合格者における20代の割合はわずか11.8%。
つまり、100人のうち約9割は30代以上ということになります。
このレアさ、実は就活や転職の場面で強烈な差別化ポイントになるんです。
- 「若くして制度に詳しい=信頼できる」
- 「組織の中で貴重な存在になれる」
- 「人事・労務に関する社内メンター的立ち位置を築ける」
特に、まだ労務担当が明確に定まっていないスタートアップでは、若手社労士はまさに“即戦力カード”。
制度整備が未整備な場所ほど、知識が活きるのです。
スタートアップやベンチャーでどう活きるか
20代社労士とスタートアップの相性は、めちゃくちゃいいです。
なぜなら、制度が未整備な会社ほど「何から手をつけたらいいか分からない…」という混乱が起きがち。
たとえば、
- 就業規則をテンプレのまま使っていて現場とミスマッチ
- フルリモートなのに勤怠の管理ルールがない
- 社保の手続きが属人化していて引き継ぎ不能
これらを「制度設計 × SaaS」で整えていくのが、今どきの社労士の出番です。
ポイントは“経営と現場の翻訳者”になること。
現場のモヤモヤを制度に落とし込み、SaaSで回す仕組みまで描けると、「この人いないと困る!」状態になれます。
しかも20代でそれができれば、「年齢よりずっと上のポジションで活躍する」ことも夢じゃありません。
資格取得のコスパは?学びにかけた時間と費用のリアル
「資格って、コスパどうなの?」
この問いには、数字で答えるのが一番。
まず学習時間は、私の場合約850時間。
平日は毎日90分、休日は3〜4時間を半年間続けました。
費用はスタディングのeラーニング講座を使って27,000円程度。
市販テキストも合わせて、合計3万円強に収まりました。
さらに合格後の登録費用が約20万〜28万円(勤務登録か開業登録かで差あり)なので、初年度コストとしては最大で30万円台後半。
一見高そうですが──
- キャリアで年収50万円以上アップすれば回収可
- 若いうちに回収すれば“利回り”が高くなる
- 名刺に書ける専門性として一生残る
と考えると、コスパは決して悪くない投資です。
キャリアの武器としての「社労士」
「労務知識がある人事」は今後もっと重宝される
少し前まで、「人事=採用担当」というイメージが強かった時代がありました。
けれど、コロナ禍以降は働き方のルール自体を見直す機会が一気に増え、「人事=労務にも強い」が求められるように。
実際、私がいた人事SaaS企業でも、「採用は好きだけど、労務はちょっと苦手です…」という声を多く聞きました。
でも、社労士資格を持っているだけで、
- 法改正に対して瞬時に反応できる
- 就業規則を読んで、課題を言語化できる
- リモートワークの規程設計ができる
など、“制度の言語”が話せるようになるんです。
それが今、圧倒的なキャリアの武器になる。
「人事 with 労務」という肩書きは、これからの時代の人事に欠かせないキーワードです。
制度を“人の悩み”から考えるとキャリアの幅が広がる
社労士の学びって、ある意味「制度マニア」っぽく見えるかもしれません。
でも本質はちがいます。
制度はすべて、“誰かの困りごと”から生まれたもの。
- 「妊娠しても仕事は続けたい」→ 育休制度
- 「突然のケガで休職したい」→ 傷病手当金
- 「40時間以上働くとしんどい」→ 労働時間の上限
これらを知ることで、「制度=人を守る仕組み」だと実感できるようになりました。
この視点を持つと、キャリアの選択肢が広がります。
- 制度を使いこなして、自分の働き方を守る
- 制度を伝えることで、誰かの味方になる
- 制度を作ることで、社会に仕組みを残す
まさに、“制度の民主化”に関われる立場。
それって、思ったよりクリエイティブで面白い仕事なんです。
他資格やスキルとの組み合わせ方(例:SaaS業界・ライター業)
社労士単体でも価値がありますが、他のスキルと組み合わせるとさらに広がりが出ます。
1. SaaS業界での活用
たとえば、労務SaaS企業のカスタマーサクセスやオンボーディング担当として活躍。
制度理解があると、ユーザーの業務課題を深く理解でき、プロダクト改善にも貢献できます。
2. Webライターとしての発信力
noteやVoicyで制度の“翻訳者”として発信。
自分の言葉で伝えるスキルがあれば、資格を「仕事の種」に変えることが可能です。
3. 他資格との相乗効果
FP(ファイナンシャルプランナー)や産業カウンセラーとの組み合わせで、「働く×暮らし」の総合サポートも。
特にスタートアップの「人事なんでも屋」ポジションでは、この組み合わせが大活躍。
社労士を活かした私の働き方
人事SaaS企業で感じたリアルな現場課題
私が新卒で入社したのは、人事領域に特化したSaaS企業でした。
「働き方改革」を掲げるその会社で、最初に任されたのは、労務まわりのコンテンツ制作チーム。
当時の私は、労働法の知識なんてほぼゼロ。
でも社内で記事を書いていくうちに、「これって法的にグレーじゃない?」「そもそも制度として成立してるのかな?」と疑問が湧くようになりました。
さらに、現場の人事さんとやり取りする中で、こんな“リアルな声”にも出会います。
- 「育休の取り方、会社で誰も知らなくて…」
- 「ペーパーレス化したけど、就業規則は紙のまま」
- 「副業OKって言ってるけど、就業規則に一切触れてない」
そのたびに、「これ、誰が答え出すの?」と思い、社労士の勉強を決意。
制度を“勉強の対象”ではなく、“現場の課題解決ツール”として学べたのは、あの環境があったからこそです。
フリーランスとしての仕事獲得ストーリー
資格取得から1年後、私は会社を辞めてフリーランスになりました。
「社労士を活かしたい。でも、社労士事務所で働く気はない」
そんな矛盾を抱えつつ、選んだのは“制度の発信者”としての道でした。
最初の仕事は、SaaS企業からの依頼で「労務コンテンツをZ世代向けにリライトしてほしい」という案件。
そこから、
- 労務SaaSのブログ執筆
- 就業規則作成セミナーのスライド監修
- 新卒向け研修資料の制作
など、資格とライティングスキルを掛け合わせた案件が少しずつ増えていきました。
ポイントは、「私は士業ではなく、制度の翻訳者です」と伝えたこと。
型通りじゃない仕事をつくるには、自分の役割を“新しい言葉”で定義しなおす必要があったのです。
Voicyやnoteでの発信が仕事につながるまで
とはいえ、最初から仕事が順調だったわけではありません。
営業が苦手な私は、SNSでの発信に活路を見出しました。
Voicyでは「制度は誰かの悩みから生まれる」をテーマに、就業規則や社会保険を例え話で語っています。
- 「就業規則って、恋愛ルールみたいなものでしょ?」
- 「副業OKって、遠距離恋愛を許すってこと?」
こんな調子で制度を“人間ドラマ”に置き換えることで、フォロワーが徐々に増えていきました。
結果として、noteやVoicy経由で「うちの社内報に寄稿しませんか?」「社内研修の講師に来てください」と声がかかるように。
発信が仕事につながる時代。
だからこそ、「社労士+自分らしさ」で、キャリアを設計することができるのだと実感しています。
まとめ
社労士資格は、「堅苦しい資格」だと思われがちです。
でも実際は、制度というツールを通じて、“人の悩み”に寄り添うための知識のかたまり。
だからこそ、単なる武器ではなく、「視点」をくれる資格だと私は思っています。
特に20代で取ることで、以下のような可能性が広がります。
- レアな専門性でキャリアの差別化ができる
- 制度を活かしてスタートアップやSaaS領域で活躍できる
- ライティングや発信など、他スキルと組み合わせて武器にできる
制度を知ることは、誰かを守る準備をすること。
そしてそれは、いつか“自分自身を守る武器”にもなります。
まずは制度を、「誰かの悩み」として見てみませんか?
よくある質問(Q&A)
Q1. 社労士を取ったら、絶対に社労士事務所で働くべきですか?
A1. そんなことはありません。
むしろ最近は、企業内人事、SaaS、カスタマーサクセス、研修講師、ライターなど“士業じゃない働き方”が広がっています。
Q2. 20代で取るメリットって、本当にあるんでしょうか?
A2. あります。
若手で資格を持つ人が少ないため、それだけで信頼性のある“レアキャラ”に。
また、早期取得は投資回収の期間が長くなるので、コスパ面でも有利です。
Q3. 学習が不安…。どうやってモチベーションを維持しましたか?
A3. 私は「誰かに話せるように勉強する」と決めていました。
ノートにまとめるより、SNSで「今日はここを学んだ!」と発信する方が、楽しさを感じやすかったです。